住戸の戸数>世帯数 ∴供給過剰です

住宅が多すぎる!

ちょっと古いデータですが、日本国内の総世帯数と総住宅数を比較すると、なんど家の数が600万も多いという数字があります。
全国の空き家率が約15%と言われていますが、実数で見ると、とんでもない数になるのですね。
核家族化や1人暮らしの世帯が非常に多くなっている、つまり人口が同じでも世帯数は増えることになるにも関わらず、あらためて驚いてしまいました。
確かに、横浜市内でも、中心部であろうが郊外の住宅地であろうが、空き家が目立ちます。
横浜でさえこのような状況ですから、もっと地方や遠隔地に行けば、相当につらい状況になっていることは容易に想像できます。

戦後の日本は、そもそも著しい住宅不足の状態でした。
国の政策としても、とにかく家を大量に作れということで、需要に追いつくように一生懸命家を作っていた時代が長く続きました。
個人の所得水準があがり国全体としてもまあまあ豊かになり、少なくとも住む家が物理的になくて大変という時代は、もはや過去のものになったはずです。
ところが、今も周りを見てください。あっちでもこっちでも新しい家やマンションを建てていますね。
ご自宅が老朽化したので建て直そうという方はともかく、建売分譲業者やマンションデベロッパーの勢いは衰えることなく、連日のように新規の物件が大量に市場に供給されています。
繰り返しますが、方や600万戸もの「過剰」としか言いようがない住宅が空いている状態です。
一体なんでこんなことになっているのでしょうか?

そろそろ止めませんか?新築買うのを

マクロ経済への影響が大きいので、一概に言えないところはありますが、今の日本の住宅事情は明らかにバランスを欠いています。
そのような状況の要因はいくつかの理由が考えられますが、一番の根底にある問題(?)は、消費者であるお客さまが新築住宅を購入したがるという、日本人特有の傾向の強さでしょう。
なぜ、日本人には新築信仰がこうも強いのでしょうか?
これにもいくつかの背景があるとは思いますが、あえて言えば、中古不動産への信頼性の低さであったり、空き家を処分しようと思った時の流通の仕組みの弱さという理由が考えられます。
更に問題なのは、中古物件を扱う不動産業者がまだまだ信用されていないこと。
不動産業者というのは敷居が高く、非日常的で、下手をすると騙されると思っていらっしゃる方が相変わらず多いのが実情だと思います。
また、時代の流れという観点においては、かつての高度成長期からバブル期に掛けて、質より量を優先して家を作った結果、不便な場所に劣悪な仕様の家がたくさんできて分譲されてしまった、という実態もあるでしょう。
このような家は、当時分譲された時の価格が意外と高いのですが、今日に至って売ろうとするととんでもなく評価額が低くなることがあります。その結果、アテの外れた売主さまが身動きが取れなくなってしまうこともしばしばです。

ただ、いずれにせよこのような状況は早晩解決しないと、社会のデッドストックが積みあがることになり、いずれ破綻を迎えることになると思います。
ではどうするか?
現在、国も住宅政策の方針を見直し、中古物件の流通量を増やして新築を抑制する方向に転換しています。
技術的な進歩や法律の整備などもあり、これからは中古住宅を購入して、大規模な修繕・リフォームをして住み続けるのがスタンダードとなる時代が来るかもしれません。
もっとも、新築分譲をメインとしている会社は非常に多く、一気に収縮してしまうと甚大な影響がでてしまうのも事実です。
弊社も一不動産仲介業者として、このような問題に取り組み、少しでも社会のお役に立ちたいと精進しています。